AGA治療の分野において頭皮に薬液を直接注入する治療法として育毛メソセラピーがありますが、同じく頭皮への直接注入法を用いるものにHARG療法というものもあります。
両者は混同されがちなため、患者側としては違いを知ったうえでどちらを治療に取り入れるかを検討する必要があります。
今回はHARG療法の内容とメソセラピーとの違いについてみていきます。
HARG療法とは
HARG療法も治療薬液を注射器や痛みの少ない専用の器具で頭皮皮下に直接注入する方法を取る治療法です。
HARG療法は元々薄毛治療の分野が盛んな海外での治療を取り入れたものです。
すでに海外では先進の治療法が先行して行われており、その過程で「どのような成分をどのくらいの割合で混合すれば治療効果が出るか」という知見が蓄積されています。
つまりすでに蓄積された成功例を取り入れることができるので高い治療効果が期待できるというわけです。
HARG療法の薬液の成分内容は決まっていて、クリニック独自に調合内容を変えることはできません。
またHARG療法を行うには日本医療毛髪再生研究会という機関の認証を受けなければならず、他の育毛メソセラピーとの違いを明確にしています。
他の育毛メソセラピーとの違いは?
一般的なメソセラピーはそのクリニック独自の処方となり決まったルールがなく、どのような成分をどれだけ配合するのかはクリニックごとに異なります。
HARG療法ではこの成分内容が決まっていて、特に配合される成長因子が幹細胞由来のもので種類が多いことが特徴です。
幹細胞を培養して成長因子を抽出しますが、特殊なフィルターにかけてウイルスを除去したり、ガンマ線を照射してクリアランスするなどして安全面を保証しています。
この豊富な成長因子の作用によって、HARG療法ではワンククールの施術が終了した後でも発毛効果が期待できるとされています。
普通のメソセラピーは通常一カ月に一回の施術をおよそ半年ほど繰り返し、これをワンクールとしますが、成長因子の数や量がHARGよりも少なめなためか施術を止めると発毛作用も徐々に低下するとされています。
HARG療法は通常一カ月に一回の施術をおよそ半年から8カ月程度行い、これをワンクールとします。
豊富な成長因子の作用で毛根自体を正常にし、正しいヘアサイクルを維持できるため、そのワンクールが終わった後でも追加の施術を要せずに効果を持続できるとしています。
費用的にはクリニックによって多少差はありますが、メソセラピーの方はワンクールで約60万円前後、HARG療法の方はワンクールで約120万円前後とおよそ二倍の差が出ます。
効果が高い分費用面での出費も大きくなる点は留意しておきましょう。