AGAは個人での対処は難しいため、医療機関で有効な投薬治療を受ける必要があります。
近年開発された特効薬はAGAによる薄毛に大きな改善効果をもたらしてくれました。
多くの薄毛患者さんを救っているはずのAGA治療ですが、一部で「治療を開始したら抜け毛が増えたよ!」という声も聞かれるようです。
治療をしているのに抜け毛が増えるというのはどうも合点がいかないようにも思えますが、実は人の毛髪の生育過程に理由があるのです。
AGA治療を開始した当初に起きる初期脱毛
冒頭の抜け毛が増える現象は初期脱毛と呼ばれていて、実際に治療の現場でも良く聞かれる声です。
治療薬による副作用ではないか?という疑問がよく医師にかけられるそうですが、これは厳密には薬による副作用ではありません。
副作用とは医薬品による負の作用をいうものですが、初期脱毛は実は負の現象ではないのです。
人の毛根はヘアサイクルによって発毛と脱毛を繰り返していますが、AGAの影響を受ける毛根は成長期の期間が短くなり、毛髪が細く弱くなる軟毛化が起きています。
放っておくと毛根はどんどん弱ってしまいますが、効果の強い治療薬によって元気を取り戻した毛根は新しい毛髪を生成し始めます。
この新しい毛髪が今ある弱った髪の毛を押し出すことで脱毛が起き、これが数多く起こることで「抜け毛が増えた」と実感してしまうのです。
これが初期脱毛の正体ですが、何か対処が必要なのでしょうか。
初期脱毛は特に対処不要
初期脱毛は効果の強い治療薬によって元気を取り戻した毛根が弱った髪の毛を捨て、新しく強い毛髪を生み出している証拠です。
ですからこれは悪い現象ではなく、良い方向に向かっているサインと捉えましょう。
実際に初期脱毛の症状に驚いてしまう患者さんが多くいることから、治療現場の医師から初期脱毛についてあらかじめ説明がされることが多いです。
ほとんどのケースでは治療開始当初の抜け毛はこの初期脱毛ですから心配は要りません。
ただ、これまで軟毛化が起きていない箇所でも抜け毛が増えるとか、初期脱毛と思われた箇所から次の元気な毛髪が生えてこないという場合は初期脱毛ではない可能性もあります。
この場合の可能性として、治療薬が効いていない、生活習慣の乱れから来る負の作用が治療薬の作用を超えてしまって治療の効果が出にくいなどの理由が考えられますが、AGAの治療では月に一回医師の診察を受けることができるので、その原因を上手く探ることで適切な対処が取れることと思います。