抜け毛薄毛の対策は早いうちから手をかけておいた方が良い、とよく言われますが、ことAGA対策に限っては早期の対策が非常に重要になってきます。
他の脱毛症でも早く手当した方が改善が早いのは当然ですが、AGAの場合この脱毛症特有の事情があり、このために早期対処が強く叫ばれているのです。
今回はなぜ早めの抜け毛薄毛対策が必要なのか見ていきます。
治療できるのは生きている毛根だけ
AGAは軟毛化現象に始まり徐々に薄毛が進む進行性の症状であるということを以前お話しました。
AGAの治療に用いられる治療薬は特効薬が開発され多くの薄毛患者さんを救っていますが、これら治療薬が効果を発揮するのは今現在生きている毛根に対してだけです。
治療薬はAGAの主原因であるDHTの生成を抑制し、脱毛シグナルの影響を弱めることで毛根が本来持っている生命力を取り戻し、あるいは血流増進作用のある薬は毛根を活性化させ、太く強い髪の毛を生育できるようにする力があります。
しかしすでに死んでしまった毛根を復活させるわけではないので、毛根が死なないうちに治療を開始する必要があるのです。
また毛根が生きていても生命力を極端に落としてしまった場合は回復力も弱く、以前と同じようには強い髪の毛を生みだしてくれません。
AGAクリニックなど現場の臨床においても、早期に治療を開始した患者さんの方が圧倒的に毛量の回復が多いことが分かっています。
そのため臨床家である現場の医師も早期治療を強く勧めるのです。
細胞分裂の残存数を伸ばせる
もう一つ早期治療が強く勧められる理由は人間の細胞の寿命に関係しています。
髪の毛は毛母細胞が細胞分裂を繰り返して髪の毛として成長していきます。
毛母細胞も含めて人の細胞は生涯で分裂できる回数に限度があると言われています。
AGAを発症するとヘアサイクルの中の「成長期」が短くなってしまい、短期間で抜け落ちてまた次の成長期に細胞分裂によって新しい髪の毛を生み出します。
つまりAGAを発症すると、本来よりも早く分裂を繰り返すことになり、限度数に達するまでの期間が短くなってしまいます。
細胞としての寿命を早くに迎えてしまう結果となり、こうなると治療薬を用いても回復を期待することはできなくなります。
早期に治療を開始し、細胞分裂のサイクルを伸ばすことができればその分寿命を延ばし、高齢になっても自分の髪の毛を維持することができるようになるということです。
薄毛が気になったら早い段階で対策の行動を起こしましょう。