AGAになると、髪の毛が十分成長しないうちに抜けてしまいます。
細く短い毛が多いと薄毛が目立つようになります。
薄毛で悩んでいる方は 多くおられるのではないでしょうか。
しかし毛包があれば、髪は太く長く育つ可能性があります。
最近ではAGAの治療薬が発売されており症状の改善が期待できます。
ここではそのAGAの治療にもちいられるフィナステリドについて詳しくご紹介します。
フィナステリドとは
フィナステリドは米国のメルク社が開発したAGA治療薬です。
医薬品であり、世界初の医師が処方するAGA治療薬です。
日本では、プロペシアという商品名で2005年12月よりMSD社により販売されています。
プロペシアの有効成分がフィナステリドです。
用法用量は男性成人にはフィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与です。
必要に応じて適宜増減が可能ですが1日1mgが上限になっています。
現在日本ではファイザー、サワイ、トーワ、クラシエから厚生労働省の認可を受けた、同じ有効成分のジェネリック医薬品が発売されています。
フィナステリドの作用機序
脱毛部には高濃度のDHT(ジヒドロテストステロン)が存在しています。
DHTはAGAの原因物質とされています。
DHTが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合すると、髪の毛の成長期が短くなり、髪の毛が太く長く成長する前に抜けてしまいます。
男性ホルモンのテストステロンは5α還元酵素の作用によりDHTに変換されます。
フィナステリドは5α還元酵素の働きを阻害して、DHTの生成を抑えます。
フィナステリドの効果
治療の効果は、抜け毛が減ったかどうかが目安になります。
通常6カ月以上の服用が必要です。
国内においてフィナステグリド3年間服用することで薄毛の状態が改善しているという研究が報告されています。
(川島 眞 他 臨床皮膚科 2006;60(6):521-530. MSD社内資料より)
フィナステリドの副作用
フィナステリドの副作用は性欲減退、勃起不全などが報告されています。
気になる症状がある場合は早目に医師に相談するようにしましょう。
フィナステリドの注意点
1、フィナステリドは男性だけの治療薬です。
女性と小児は服用してはいけません。
妊娠中か、その可能性のある女性は絶対にフィナステリドを服用してはいきません。
砕けたり、割れたりしたフィナステリドの錠剤を触ることもいけません。
男の子を妊娠している女性の体内にフィナステリドが入ると、男の子の生殖器に異常を起こすことがあります。
男性が服用する場合でも、フィナステリドを割って飲まないようにして下さい。
2、前立腺がん等の検査を受ける予定の方は、必ず検査の前に医師にフィナステリドを服用していることを伝えておくようにしましょう。
フィナステリドは前立腺がん等の検査で測定されるPSA値に影響を与えることが知られています。
3、フィナステリド服用中の方は献血することができません。
妊婦に献血した血液が体内に入るのを防ぐためです。
献血時の問診に直近1か月以内のフィナステリド服用の有無を問う項目があります。
最後に
フィナステリドは保険の効かない自由診療のお薬です。
医師から処方してもらうよりインターネットで海外からの輸入した方が安く手に入るため、インターネットでの購入を検討される方もおられるかもしれません。
しかし、上記に記載したように注意点の多いお薬です。
偽物も確認されており、品質の安全性は保障されていません。
また、個人輸入された医薬品で受けた健康被害は救済されないことも知っておくようにしましょう。
この記事を読んだ皆さんは必ず医師の診断を受けてから処方してもらうようにしましょう。
また、お薬に頼るだけではなく食事や禁煙など生活習慣を改善し毛髪によい環境を整えるよう心掛けるようにしましょう。